2017年8月25日金曜日

海外の学校で日本文化を紹介する機会について

海外に住んでいると、日本人として日本の文化を紹介する機会というのが出てくるものです。我が家も最近、息子の小学校でインターナショナル・デイなるイベントがあったので、親として参加してきました。


学校のイベントとしての国際文化交流の日

移民を多く抱えるニュージーランドでは、人々の文化の違いを大事にしています。そのため、学校や公共のイベントとして、国際文化交流の日が設けられています。「インターナショナル・デー=International Day」とか、「カルチャー・デー=Culture Dayと呼ばれる特別な日です。

この様なイベントでは、自国の伝統衣装を着ての登校が出来ます。学校によっては、ボランティアやスタッフによる伝統文化紹介が行われたり、子供たち自身が発表を行ったりと、その内容は様々です

同様のイベントは、オーストラリアやアメリカ、イギリスなど色々な国で行われています。現地の人の日本文化への関心が高まることはもちろん、自分たちと違う他の文化について知ったり、これをきっかけに親交を深め事のできる良い機会です。

息子の小学校のインターナショナル・デー

息子の小学校でも先日、「インターナショナル・デー」が開かれました。子供たちは様々な衣装で登校することが推奨され、我が家の息子も持参していた男の子用の着物をバッチリと着込んで行きました。

この日はボランティアの親御さんによる様々な文化の紹介コーナーというのもありました。決められた時間の中で、子供たちが順番にそれぞれの文化のブースを周って、色々な体験をしてみるというような流れになっており、それぞれの文化ブースでボランティアの親御さんが体験活動を用意しています。

参加するボランティアは事前に手紙で募集しており、私も参加してきました。アジア系のブースが多いのかな~と思いきや、ポリネシア系の文化・ヨーロッパ系の文化のブースがずらっと並んでいました。南米出身の方々も多く参加されていました。改めてニュージーランドに住む人々の文化の多様性を感じられました。

それぞれのブースでは各国の旗を飾ったり、民族衣装を飾ったり、伝統のおもちゃが置いてあったり… パフォーマンスをしているお母さんもいらっしゃいました。ボランティアの親御さんたち、みんなすごい気合入っていました!


日本の文化としては何を紹介する?

さて海外で(日本でも)このような文化的ないイベントがあって、日本の文化を紹介する場合、何をしたら良いのでしょう?一口に日本文化といっても色々あるため、可能性としては無制限です。今回は小学校でのイベントのため、下記のような点に注意しようと考えました。

  • イベントに使える時間・場所… 時間や場所のスペースに対して、内容を詰め込みすぎない方が良い。
  • 予算の関係
  • 子供の年齢
  • 子供が興味を持ちそうな内容かどうか。
  • 子供はお土産が好き …たとえカード一枚でも、何か1人1枚(個)持ち帰れるお土産があると子供の心にも残りやすい。
  • 子供自身が体験できるか …見るだけよりも子供自身が触ったり体験できた方が印象に残るため。
  • 食べ物は色々と問題あり …アレルギー・宗教など色々多様なので食べ物の提供はしない方が無難。息子の小学校では食べ物系は禁止されていました。
  • 危なく無い …思わぬ使い方をします。壊れやすいものや危ないものを使うのはやめましょう。
ここで、もしご自身が日本の踊りとか音楽(太鼓なんか良いですよね~)、空手などの武道に長けている場合は、それを披露したり教えてあげればとても喜ぶと思います。が、私はそのような素敵なスキルは無いため、簡単かつ子供が喜びそうな活動を考えてみました。

  • 日本の遊び(必要な物:けん玉、コマ、お手玉)
  • 日本語でカードに名前を書いてあげる・または一緒に書く(必要な物:紙、ペン)
  • お習字体験(必要な物:習字用の紙と筆、墨汁)
  • 下駄をはいて歩いてみる(必要な物:下駄)
  • 紙飛行機を作る(必要な物:紙)
  • 折り紙で手裏剣やお花などを作る(必要な物:折り紙)
  • 着物を飾る・羽織らせてあげる(必要な物:着物)


このほかにもアニメなんかも日本が誇るべき文化なので、うまく使えないかな~と考えてみましたが、今回は利用を見送りました。ちなみに、上記で必要な日本の物(習字道具など)はオークランドのダイソー(DAISOJapanMartでかなり色々と入手できると思います。


日本の誇る折り紙という文化を紹介することに

さて色々とアイデアを出して悩んだ末、折り紙のディスプレイを作って、すごく簡単な折り紙の作り方も紹介することにしました。折り紙は事前にオークランドのダイソーで安く購入できることを確認しているので、材料調達のめどがついていたことと、一緒に作った折り紙をお土産として子供が持ち帰れることが決めてとなりました。

折り紙はORIGAMIとして海外でも浸透しつつあり、最近では折り紙を知っている・やったことのあるニュージーランドの小学生も多いです。しかし、幼児時期から折り紙に親しんで育った子が多い日本と比べるとまだまだ経験値が少なく、折り紙自体が初めて!という子も多いので、もし子供と一緒に作る場合には、簡単な物を題材として挙げる必要があります。

これは実際に子供たちといくつか作ってみてもとても感じました。折り鶴はかなり難易度が高い部類に入り小学校高学年(10歳~)でも苦労しました。より小さい子の多いイベントではおススメできません。

折り紙の折り方を紹介したホームページはたくさんありますから、その中から「幼稚園児向け」とされる極めて簡単な物を選ぶと、様々な年齢の子が作りやすくて良いです。

ニュージーランドの子供たちの間ではポケモンが根強く人気がありますから、幼児向けの簡単な「キツネ」とか「ネコ」の顔をおって、かわいい顔を書いてあげてピカチューということにしてあげたりするのは簡単で喜ぶ良いアイデアだと思いました。あとはコマとか、手裏剣などは遊べるので反応が良かったです。

教える方は中々大変でしたが、結果として子供たちが喜んでくれて良かったです。嬉しそうに自分で作った折り紙を持って帰る子供達を見て大変ほほえましく、参加した私も楽しい一日でした。

これから留学・海外移住する方は…

この様なイベント、特に学校や身近な地域で開かれているものに積極的に参加してみるのは、私は「海外に住む日本人」として大切なことだと思います。参加に踏み切るのにちょっと勇気がいりますが、いざ参加してみると意外と自分自身も楽しめますし、そこから新しい出会いがあったりもします。また小学校のイベントなんかは特に、自分の家の子が一番喜びます。「僕のママが来てる~!」といった感じで…(笑)

ニュージーランドに限らず、この様な国際交流のイベントを地域や学校中心に積極的に行う国は多いと思います。(日本でも「OOO文化デー」みたいなイベントはたまにありますよね。)

これから海外に留学や移住をする予定のある人は、長期間海外に滞在するとこのような「日本文化を紹介する機会」に出会うことを念頭に入れておくと良いかもしれません。安物で構わないので、自分用の浴衣を一着とか、何か文化的な小道具(玩具とか)を持参することをお勧めします。このようなイベントがあった場合に大いに役に立ちます。


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