2017年9月18日月曜日

オークランド空港のパイプライン事故により、国際線に影響が出ていることについて:9月24日に修繕

つい先日のこと、オークランド空港を利用する飛行機の燃料を供給するパイプラインに事故があり、現在もオークランド空港発着の国際線と国内線両方で影響が出ています。

こんな大きな影響のある事故なので、もっとじゃんじゃか報道してくれても良さそうな物ですが、少ない気がするのは私だけでしょうか?

私は在留届を出しているオークランド領事館からの連絡で初めて知りました。在留届を出しておくって大事ですね。

この件についての、現時点での情報を少しまとめてみました。

plane-50893_640

事の経緯:Marsden Pointのパイプライン事故


オークランド領事館から来た連絡によると、Marsden Pointという場所での採掘事故が原因のようです。

Marsden Pointという場所は、オークランドの北140KMのところにあります。下記に地図を添付しておきます。

Marsden point

Wikipediaによると、Marsden Pointにはニュージーランド唯一の石油精製所があるそうです。ニュージーランドにとってとても重要な場所です。
参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Marsden_Point

こちらのNZハラルド(NZ Herald)の記事によると、

このMarsden pointで9月14日の木曜日、採掘を行っていた業者がカウリの丸太を撤去しようとしたところ、石油のパイプを間違って切ってしまった。

...ということです。

参考:http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11923227

カウリ(Kauri)というのはニュージーランド原生の木ですが、成長が遅く、その丸太はとても巨大で密度が高く、水に沈むほど重たいといわれる木です。

今でも北の方にはカウリの森が残っていますが、もともとニュージーランド各地に生えていました。

カウリの木はその密度から腐りにくく、その丸太が沼地から引き上げられることもあります。上記の件では、カウリの丸太が土地に埋まっていて、撤去しようとしていたのではないかと推測できます。

このパイプはオークランド空港への燃料の輸送を担っていたため、このパイプが切られてしまったことにより、オークランド空港で燃料が足りなくなるという事態が発生しました。

パイプライン事故によるオークランド空港発着便への影響

上記の記事では、航空機への影響について、下記のような説明もされています。

オークランドに来る飛行機に対して、オークランドで給油しなくても飛び立てるように予備の燃料を積むよう推奨している。

長距離のフライトは、オークランド以外のニュージーランド内外の空港へ行き先を変更している。

そして、石油業者による復旧作業については、下記のように記載されています。

カナダから2人のエンジニアを呼び寄せて(18日本日到着予定)、少しずつパイプの石油輸送量を正常に戻す予定。

石油会社の予想では、復旧には14~18日かかる見通しである。

ガソリンなど陸路に関しては、タンク車で燃料を運べるため影響は出ない。

オークランド空港への燃料の供給ラインはこの1本だけだったため、オークランド空港発着便への影響は避けられないようです。

9月18日現在も多くの便がキャンセルに

急な対応を迫られた航空会社も突然の事件への迅速な対応はむずかしく、残念ながらキャンセルとなる航空便が相次いでいます。

オークランド空港のホームページによると、週末にはニュージーランド国内便・国際便合わせて27便が運航休止となりました。

参考:オークランド空港のホームページ

現在進行形で影響を受けている便や、発着便の予定についてはオークランド空港のホームページから一覧で確認できる他、各航空会社が情報提供に努力しているはずです。

オークランド空港から出発する便

上記のリンク先で確認してみると、これから出発の便の中でも、国際便でやはりキャンセルが目立ちます。

flight
一番右がオレンジになっているのがすべてキャンセル便です。

fligh2

ニュージーランド~日本便への影響は?

幸い、ニュージーランドと日本の間を行き来する直行便では、ニュージーランド航空の便はキャンセルにはなっていないようです。

ニュージーランド航空の公式ホームページによると、(本来は直行便のところを)途中経由地で給油をすることで、運航しているようです

一方、ニュージーランド空港が運航しているニュージーランド国内便の方ではキャンセルが相次いでいます。

そのため、ニュージーランド国内の他の都市へ乗り継ぎには影響が出る可能性が高いです。陸路への変更も余儀なくされてしまうかもしれません。

ニュージーランド航空の今回の件に関わる日本語アナウンスはこちら →https://www.airnewzealand.jp/travel-alerts

ニュージーランド航空運営のニュージーランド国内便:キャンセル予定についてはこちらを参考にしてください。→https://www.airnewzealand.co.nz/travel-alerts#2PuIjuFruk6G6vA7Qy5p

その他の航空会社(シドニー経由など)は、少なくともニュージーランド~シドニー間などで影響が出る可能性があります。

各航空会社からの連絡が無い場合には、直接問い合わせたほうが良いでしょう。

18日現在の今後の予想

報道では、恐らく14~18日は修復に掛かるということでした。

本日付の新しい記事によると、突然のことに航空会社も困惑しており、航空会社各社の対応には偏りがあるようです。旅行客の怒りが募り始めています。

オークランド空港到着前に経由地による必要が出たため旅程の変更を余儀なくされ、ニュージーランド国内便への乗り継ぎが予定通りできなかった人もいれば、フライトがキャンセルとなり次の便に乗って出発できるまで何日も待たされることになる人もいるそうです。

旅行関係者トーマスさん「20年業界にいて、こんなことは今まで初めてだ。2週間後には(ニュージーランドの学校は)学校の長期休暇が始まる。それまでには収束していると良いが…」



また、今回影響を受けたMarsden Pointの石油精製会社であるリファイニング NZのスポークスマンであるグレッグさんによると、

グレッグさん「修復作業は何日もかかるだろう。まだ損傷の全貌を調査している段階だ。周りから避難させ、パイプを調べたうえで修復方法を検討しなければいけない。まだその段階だ。」

とのことです。燃料輸送パイプラインの復旧には予想以上に掛かる可能性もあるのかもしれません。

参考:http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11923293


追記:9月20日段階

<9月20日追記>
今のところ、オークランド空港のアナウンスでは特に新しい情報はありません。

ニュージーランド航空のトラベルアラートは頻繁に更新され、フライト情報が提供されています。オークランド・成田間の直行便はブリズベン経由で飛んでいるようです。

Refining NZのホームページでは毎日のようにプレスリリースとして経過報告が行われています。9月20日の段階で、パイプの修繕は進んでいるようです。

パイプを通じての燃料の供給再開は9月24日の日中~26日の日中の間の見通しで、供給が再開してから認証&空港への輸送でさらに30時間かかるとの記載がありました。

http://www.refiningnz.com/media/110008/refining_nz_media_release_20_september__pm__2017.pdf

<9月24日追記>
Refining NZのホームページによると、パイプラインの修復作業は順調に進んで、無事最初の燃料がWiriという場所まで到着したようです。

さらに30時間かけてこの燃料のチェック・承認作業があるようですが、それさえ済めば燃料が航空会社へ供給できるようになると予想されます。

修復作業が当初の予想通り順調に進んでいるようで良かったです!

http://www.refiningnz.com/media/110213/refining_nz_media_release_24_september__am__2017.pdf

ニュージーランドの学校の春休みが9月末から始まり多くの旅行客が不安になっていましたが、それにも間に合いそうですね。

最新情報を得るためのまとめ

現在まさに空の移動を予定していた人には大変な状況です。下記に最新情報を手に入れるための参考URLをまとめておきます。

オークランド空港ホームページ(オークランド発着便の運航状況)
https://www.aucklandairport.co.nz/

ニュージーランド航空のトラベルアラート
https://www.airnewzealand.co.nz/travel-alerts#2PuIjuFruk6G6vA7Qy5p

ニュージーランド航空のトラベルアラート日本語サイト
https://www.airnewzealand.jp/travel-alerts

オークランド領事館
http://www.auckland.nz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

オークランド領事館による今回のトラブルについての声明
http://www.auckland.nz.emb-japan.go.jp/files/000290595.pdf

Refining NZ:修理状況についてPress Releaseにて随時発表中
http://www.refiningnz.com/

最新運航状況に関しては、各社航空会社へ問い合わせるのが一番なようです。オークランド航空はTwitterでも情報を公開しています。


<参考まで>
オークランド空港から徒歩で行けるホテル(TripAdvisorサイト)

NZの都市間をバスで移動するなら(Intercityバス会社ホームページ)




関連記事:こちらもどうぞ

その他ニュース
ニュージーランドの不動産、物件販売数が昨年7月に比べて1/4も減少!

ニュージーランドのお金事情
ニュージーランドで海外生活するのにかかるお金は?

ニュージーランド航空関連
年末年始の旅行はニュージーランド航空の羽田直行便で!その1

最新の投稿